まだまだ暑い日が続きますが、明日から10月!
芸術の秋のお出かけにおすすめの展覧会を3つ、ご紹介します。
ひとつめは、東京都美術館で12月10日まで開催中の「永遠の都ローマ展」です。
ローマの歴史は2000年を超え、古代ローマ帝国の時代から豊かな文化を育んできました。
展覧会では、世界で最も古い美術館のひとつ、
カピトリーノ美術館のコレクションをまとめて紹介し、
ローマの栄光の歴史をたどります。
カピトリーノ美術館のコレクションがまとめて紹介されるのは、日本で初めてだそうです!
中でも、この展覧会の目玉、古代ヴィーナス像の傑作である「カピトリーノのヴィーナス」は、
1752年にカピトリーノ美術館に収蔵されてから、美術館の外に出るのは3度目とのこと!
もちろん、日本に来るのも初めてです。
非常に貴重なこの機会をお見逃しなく!
《カピトリーノのヴィーナス》2世紀 大理石 カピトリーノ美術館蔵
そのほか、ローマ建国の歴史を伝えるカピトリーノの牝狼の複製や、
《カピトリーノの牝狼(複製)》20世紀(原作は前5世紀)ローマ市庁舎蔵
コンスタンティヌス帝の巨像の一部原寸大複製など、迫力満点!
《コンスタンティヌス帝の巨像の頭部(複製)》1930年代(原作は330-37年)ローマ文明博物館蔵
頭部だけでこの大きさです!
特集展示「カピトリーノ美術館と日本」では、
天正遣欧少年使節団から始まる歴史も紹介されています。
東京にいながら、貴重な古代彫刻を中心に、ローマの歴史に浸れる「永遠の都ローマ展」。
ぜひお出かけください。
そして、ふたつめ。「永遠の都ローマ展」の出口を出ると、左手に別世界への扉が覗いています。
「うえののそこから「はじまり、はじまり」荒木珠奈展」です。
荒木珠奈さんは、東京出身の作家で、メキシコに留学、
現在の拠点はニューヨークに置いているそうです。
そんな荒木さんが作り出す、不思議で少し怖くて面白くてうっとりする世界。
全編写真撮影可能なので、お気に入りをじっくり撮って、
スマフォに収めて持ち帰ることもできます。
そして、楽しいのが、参加型展示!
団地をモチーフにした「うち」という作品は、来場者が、鍵がかかった小さな箱を開けます。
扉を開けると、中の様子を観ることができ、明かりが漏れて、広がっていく。
どんどん「うち」の明かりが増えていく仕掛けです。
座ってくつろげる作品や、大型インスタレーションの中に入ることもでき、
非日常を全身で体感できます。
10/9(月祝)までと、会期が残り僅かですので、お早めに。
そして、最後にご紹介するのは、俗世を離れた理想の世界。
六本木の泉屋博古館東京で開催中の「楽しい隠遁生活 ―文人たちのマインドフルネス」です。
中国の士大夫、そして日本の文人が憧れた隠遁生活。
山水画・風景画だけでなく、彼らが愛した書斎を飾る文房具なども併せて展示。
お酒はいつの時代も、楽しめる人と、周りを困らせてしまう人とがいるようです。
私が好きな、三国志の天才軍師・諸葛孔明は、
こうした中では珍しく、憧れの"楽しい隠遁生活"を捨てて、乱世に身を投じたことも分かります。
さらには、隠遁の方法や、近隣の隠逸スポットも紹介されているので、秋の空気の中、リフレッシュできること請け合いです。
楽しい隠遁生活は、10月15日(日)までです。