上野の森美術館で開催中の
特別展「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」を観てきました!
我が家の3歳の息子は恐竜が大好き。
私も、小さい頃に恐竜が好きだったことを思い出して、再び恐竜熱が高まっているので、
とても楽しみにしていました。
特大の図鑑が並ぶようにデザインされた入口から、ワクワクした気分が高まります。
恐竜の展示というと、化石を思い浮かべる方も多いと思います。
この展覧会を企画した神戸芸術工科大学教授の岡本弘毅先生は、
この特別展「恐竜図鑑」では、生体復元図、
発掘された恐竜の化石を、想像で補いながら絵にしたものに敢えて着目したと言います。
レオン・ベッケル
「1882年、ナッサウ宮殿の聖ゲオルギウス礼拝堂で行われた
ベルニサール最初のイグアノドンの復元」
1884年、ベルギー王⽴⾃然史博物館、ブリュッセル
先生によると、恐竜が発見されたのは、今から約200年前。
恐竜が発掘されたのとほぼ同じ時期に始まった古生物復元画(パレオアート)の歴史を辿ることで、
恐竜のイメージがどう変わってきたのかが分かります。
史上初めて描かれた古生物の絵と言われているのが、
「太古のドーセット」という、1830年の作品です。
ジョージ・シャーフ(ヘンリー・デ・ラ・ビーチによる)
「ドゥリア・アンティクィオル(太古のドーセット)」
魚竜によって、首長竜が嚙みつかれた瞬間を描いています。
恐竜の姿が変わっていったことが象徴的に分かるのが、イグアノドン。
ジョン・マーティン「イグアノドンの国」
1837年、ニュージーランド国⽴博物館テ・パパ・トンガレワ、ウェリントン
初期のイグアノドンは、地べたを這い回る姿で描かれ、鼻の上にツノがあります。
(向かって左側がイグアノドンの絵です。)
その後、ツノだと思われていた骨が、指のスパイクだとされるなど、形が変わって今の姿に至ります。
特別展「恐竜図鑑」では、展覧会オリジナルキャラクターの
「イグアノドン3きょうだい」になって、
時代によって姿が大きく変わってきたことなどを説明してくれます。
お子さんにも、親しみやすく分かりやすい展覧会ですので、
夏休みの自由研究にもおすすめです!
さらに、南沙良さんが担当する音声ガイドも、
スマートフォンがあれば無料で聴くことができ、
理解をより深めることができます。
現代のパレオアートは、研究との密接な連携で、緻密に描かれています。
小田隆「篠山層群産動植物の生態環境復元画」
最新の研究成果が、分かりやすく、格好良く楽しめるパレオアート。
その時代の研究を映す鏡でもあります。
パレオアートの歴史を余すことなく知ることができる特別展「恐竜図鑑」は、
上野の森美術館で、7月22日までです。