放送局・放送日時
- ニッポン放送
- 土曜日 22:00~22:30
- ABCラジオ
- 日曜日 12:30~13:00
- 南日本放送
- 日曜日 17:00~17:30
アーチェリーの上山友裕(うえやま・ともひろ)選手を迎えてお送りした後編。
今回は、上山選手直々のご指導のもと、鈴木亮平さんがアーチェリーに初挑戦しました!
初めてアーチェリー場を訪れた鈴木さんの感想は、「的までけっこう距離がある」
的までの距離は70m。
矢が的にいっても、肉眼ではその点数を確認することができないので、スコープという望遠鏡を使います。ただ、選手たちは、調子が良い時には矢がどのへんにいったか、感覚的にわかるそうです。
上山選手がふだん使用している弓は70インチ。
重さは、3kgくらいあるということで、実際に持ってみると「ずっしりきますね」と鈴木さん。
胸には“チェストガード”、肘から先には“アームガード”、そして腰には矢を入れる“クイーバー”。
アーチェリーに必要な道具を身につけて、いざ、挑戦!
矢を一本取ってセット。
ラインをまたいで、首を的の方に向けて、手を弦にかける。
そして、弓を上げて、弦を引き、狙いを定めて・・・打つ!
ビューン!!
放った矢は、見事、10m先の的に当たりました!
さすがに真ん中ではありませんでしたが、上山選手も「一番初めの時点で、的に当てられる人を見たことがないです!本気でセンスがあると思います!」と大絶賛。
初挑戦のアーチェリーを終えて、「おもしろい!でも難しい・・・」と鈴木さん。
上山選手は、「アーチェリーは難しいけど、何故はずれたかを考えて、次に打ったとき、真ん中に寄っていくのが面白い。ただ、その“何で外したか”を考えるのは、すごく難しい。自分のちょっとした気持ちの変化とか、手の力みとかが、まともに点数に出る競技。余計なことは考えず、何も考えずに打つのが一番強い方法」だと、この競技の奥深さについて教えてくれました。
2年後に迫った東京2020パラリンピック。
上山選手は、東京2020大会にかける思いをこう語りました。
「普通のパラリンピックではないなと思っています。自分の国でやるからには、大会を背負っているという自覚がないと、大会を成功させることはできないと思っています。アーチェリー場を満員にして、来てもらった人たちが『来てよかった』『楽しかった』と言ってもらえるような大会にしたいと思っています」
最後に、上をめざして進もうとする方に伝えたい “Going Upな一言” を伺いました。
『常に目標を作り 夢へ』
「今、頑張れることをやるのは当然だけど、その先に目指していること…今であれば『東京2020大会を成功させる』という夢をブレさせないことが、現在の目標を作る基本にもなる。そこをブレさせないことが、しっかりと目標をクリアしていける原動力になるので、“目標”と“夢”を常に持ち続けなければと思っている」と、この言葉に込めた思いを語ってくれました。
上山選手指導のもと、アーチェリーにチャレンジした鈴木亮平さんの様子、ぜひradikoで聴いてみてくださいね。
上山友裕選手のリクエスト曲:シンデレラガール / King & Prince
欠かさず見ていた大好きなドラマの主題歌。“試合前に聴く曲リスト”に入れて、最近はこの曲ばかり聴いているんだそうです。
次回は、シッティングバレーボールの真野嘉久会長と齊藤洋子選手をお迎えしてお送りします。
どうぞお楽しみに!
8月16日から26日まで、ドイツのハンブルクで『2018車いすバスケットボール世界選手権』が開催されます。
男子16か国、女子12か国が出場し、“世界一”の座をかけて熱い戦いを繰り広げます。
車いすバスケットボールの世界選手権は4年に1度行われており、今回の大会は、2年後に迫った東京2020パラリンピックを見据え、日本代表の現在地を確かめる上で、非常に大事な大会となります。
日本からは、男子日本代表が出場します。
7月24日、千葉県内のホテルで、『2018車いすバスケットボール世界選手権大会 日本代表発表記者会見』が行われ、世界選手権に出場する、車いすバスケットボール男子日本代表12名が紹介されました。
キャプテンの豊島英(とよしま・あきら)選手は、会見で次のように語りました。
「私たちは、世界選手権に向けて選ばれた12人ではありますが、強化指定選手のみんなと、この世界選手権に向けて、たくさんトレーニングを積んできました。代表で選ばれましたので、結果を残すために、ドイツで戦いたいと思います。どのメンバーが出ても世界に通用するという自信を、私はじめ各選手が持っていると思いますので、それをこの大会でぶつけて、必ずいい結果をとって来たいと考えています」
また、男子日本代表・及川晋平(おいかわ・しんぺい)ヘッドコーチは、リオ2016パラリンピック以降、東京2020大会に向けて強化を進める中で、先月、東京で行われた国際親善大会『三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP2018』での優勝はひとつの自信になったと話し、東京2020パラリンピックまでの半分にあたる世界選手権での目標を、ベスト4以上と明言しました。
2020年のパラリンピックでメダルを獲るために、世界選手権で手ごたえのある結果を持って帰って来たいと意気込みを語りました。
世界選手権に出場する男子日本代表選手は以下の通りです。 ※( )内は持ち点
緋田高大(1.0)千葉ホークス
岩井孝義(1.0)富山県WBC
川原 凛(1.5)千葉ホークス
豊島 英(2.0)宮城MAX
藤澤 潔(2.0)埼玉ライオンズ
鳥海連志(2.5)パラ神奈川SC
古澤拓也(3.0)パラ神奈川SC
香西宏昭(3.5)NO EXCUSE
秋田 啓(3.5)岐阜シャイン
宮島徹也(4.0)富山県WBC
村上直広(4.0)伊丹スーパーフェニックス
藤本怜央(4.5)宮城MAX
車いすバスケットボール男子日本代表は、日本での最終事前合宿の後、ドイツ・ケルンで行われる国際大会(男子はドイツ・韓国・オーストラリア・日本の4か国が参加)を経て、世界選手権に臨みます。
今回のゲストは、アーチェリーの上山友裕(うえやま・ともひろ)選手です。
パラアーチェリーは、離れた的に向かって矢を放ち、その得点を競い合う競技。
パラスポーツとして古い歴史を持ち、1948年にイギリスのストーク・マンデビル病院内で16人の車いす患者によるアーチェリー大会を開催したことがパラリンピックの原点だと言われています。
パラリンピックでは、1960年の第1回ローマ大会から正式競技として採用されています。
上山選手がアーチェリーを始めたのは、大学時代。
高校3年生の3学期に、隣の席だった友人から「大学に行ったらアーチェリーやりたいんだけど、ちょっとついてきてくれへん?」と言われ、大学に入りアーチェリーの体験入部会に行きました。
「体験入部のブースに美人の先輩が立ってて、その人にずっと見てもらって風船割りをしたんです。1mとか2mくらい先に風船があって、体験用の弓で打ったら一発で割れて、うわぁっと思ってたら『絶対センスあるわ!上山くん』と言われて、おもしろいな!と思ったのがきっかけです」
大学を卒業して社会人になり、ゴルフを始めたことで、一度はやめていたアーチェリーですが、会社のアーチェリー同好会の方から誘われ、趣味程度に続けていました。
そんなある日、上山選手の足に異変が起きます。
「会社の帰りに電車に乗り遅れそうになって、急いで走らないとと思って、頭では足を動かしているつもりなんですけど、足が上がりきらなくて、どんどん靴の先っぽがずりずり削れていったんです」
歩き方が不自然と何度か言われたことはあったそうですが、生活に影響がでたのは、それが初めてでした。
病院に行っても、きれいな股関節をしていると言われるし、事故に遭ったわけでもない。原因不明の両下肢麻痺により、少しずつ走りにくくなって走れなくなり、今度は歩きにくくなって歩けなくなり、今では車いすでの生活を送っています。
足の状態が悪くなってきた頃、「健常者の試合に出てるけど、パラアーチェリーの試合にも出てくれないか」と関係者に声をかけられます。
そうして、2011年のシーズンから車いすでパラアーチェリーの大会にも出場するようになりました。
車いすに乗って競技をすることになった上山選手が、まず戸惑ったのは、感覚の違い。
その理由は、的の高さにありました。
一般のアーチェリーとパラアーチェリー、的の高さは一緒です。
身長180㎝の上山選手は、立ってプレーしていた時には、的を見下ろす感じでしたが、車いすだと的を見上げることになります。
視界が全く違うことで、感覚もそれまでとは変わってしまったのです。
さらに、脚の力が使えないため、今まで引くことができていた弓が重く感じられたそうです。
ただ、そこで力に負けて軽い弓にしてしまうと、今度は、風や雨の影響を受けやすくなります。
そこで、自分に負けないという意味も込めて、逆に弓を重くすることにしました。
それまで、38ポンド(弓を引く力)の弓を使っていましたが、現在は、46ポンドの弓を使っているそうです。
上山選手がパラアーチェリーの関係者から声をかけられた時、こう言われました。
「今の実力やったら、パラリンピック日本代表のレベルになってるから」
その言葉で、パラアーチェリーを始める前から、パラリンピックを目指そう!という気持ちで、本格的に競技に取り組むことになりました。
そしてその思いは実り、リオ2016パラリンピックに日本代表として出場を果たしました。
「出ただけで満足するような選手にはなりたくない」
強い気持ちで臨んだ、自身初のパラリンピック。
当時の実力を考え、ベスト8に目標を定めました。
いざ競技が始まってみると、予選を4位で通過。最後まで1位争いをした中での4位ということで、そこからは「『金メダル』しか見てなかった」といいます。
ところが、準々決勝敗退。
7位入賞という結果で大会を終えました。
そんな時、友達から一通のメールが届きます。
“ベスト8の目標達成できて、おめでとう!”
(そういえば、当初そんなこと言ってたな…)
気持ちは金メダルに向かっていただけに、ただただ、悔しさだけが残りました。
悔しい結果に終わった初のパラリンピックでしたが、その舞台は特別なものでした。
「そもそも、アーチェリーという競技は、観客がいっぱいいる中でやるスポーツじゃないんですよね。大勢の観客がいる中で試合ができるというのが今までになかったですし、僕はすごく楽しかった。実況が(弓を打った後に)『〇点!』ってコールすると、観客がそれに大きな反応をしてくれる。これが、僕がやりたかったスポーツやし、今その舞台に立っている僕はスポーツ選手なんやなって、そこで実感することができて、楽しい経験をさせてもらいました」
2020年に、またその “特別な舞台” に立つために。
上山選手は今日も練習に励みます。
上山友裕選手のリクエスト曲: ともに / WANIMA
次回は、なんと、上山選手の指導のもと鈴木亮平さんがアーチェリーに初挑戦します!
どうぞお楽しみに。